スタッフブログ

フラット35を監理している「住宅金融支援機構」というところがあります。

昔でいう「金融公庫」と呼ばれていた機関です。

 

そこでは、毎年フラット35を採用していただいた方を対象に、

住宅購入時に重要視するポイント」 を統計としてまとめています。

6か月に1回ほどのペースで更新されていきます。

 

今年度の下半期分がそろそろかな、とおもって、

サイトを検索してみましたが、まだの様でした。

 

住宅金融支援機構 調査資料

(実際のデータはコチラ ⇒ 【 住宅金融支援機構 住宅市場動向調査 】

改めて、今年度の4月分を読んでみると面白いことがに気が付きました。

 

H29 住宅動向1

こちらは、住宅事業者(ハウスメーカー、工務店、設計事務所など)が

「建物の性能で重視するポイントは?」 という質問に対して回答した結果。

 

1位 省エネルギー性

2位 耐震性

3位 高耐久性

 

となっています。

 

対して、一般消費者(建築主)

「建物の性能で重視するポイントは?」という質問に対して回答した結果は・・・。

H29 住宅動向

1位 高耐久性

2位 耐震性

3位 省エネルギー性

 

となっています。

 

分かりやすく並べた表もありましたので、掲載しておきます。

H29 住宅動向3

上記写真の 下半分が「重要視するポイント」になります。

 

改めて内容を読んでみると、

住宅を作る側(ハウスメーカー、工務店、設計事務所など)

住宅に住む側(建築主、住み手)との重要視のポイントに違いがあることに気づきます。

 

というか、優先順位が逆さまですね(笑)。

 

これらの現象は、インターネットで住宅会社様を見て回ると、

あらためて気づかされることだと思います。

 

昨今の、「省エネ」、「ZEH」などという言葉から、

「断熱性」や「床下エアコン」などといった、「暖かい家」ということが一番大切だ。

と洗脳されているようにも感じます。

 

もちろん、それも間違えではないと思います。

 

ですが、

その反面、どこかで

「高耐久性」、「耐震性」は当たり前にあるのだ。

と、誤解にも似た感覚を持たされ、しっかりと確認されることへの意識が薄れているように思えます。

 

その分かりやすい例が、「ZEH」です。

この、「ZEH」(ゼロエネルギー住宅)の中には、

耐震性や高耐久性に関する基準はありません

 

単純に、断熱性能を向上させて、太陽光を載せてエネルギー収支を「0」にできるようにすればよいのです。

そこに、

「耐震性」や「高耐久性」を求める基準は存在しません。

「気密性」すらも基準に存在しないのだから、疑問すら残ります。

 

すなわち、

「ZEH」に対応しているから、大丈夫。

ということはないのです。

 

あらためて、

「耐震性」と「高耐久性」を実現しているかどうかを

住宅事業者(ハウスメーカー、工務店、設計事務所など)に確認する必要があります

 

「耐震性」と「高耐久性」に対して、

技術的審査を設けているのは、「長期優良住宅」ということになります。

 

これからの住まいを理想的なバランスで構成するとしたら、

長期優良住宅 の認定を取得して、 「耐震性」「断熱性」「耐久性」の性能を証明して、

そのうえで、太陽光を搭載することで、

「ZEH」(ゼロエネルギー住宅)を実現する。

ということが、建築主(住まい手)の要望をきちんとかなえた優先順位といえそうです。

(英設計は、この順位で計画をご提案しています。)

 

コストが高くなるからと言って、耐震性や耐久性を削り取られるようなことが無いように

注意が必要ですね。

 

つまり、建て主の方も

最低限、耐震性と断熱性の計算書は提示してもらい、

長期優良住宅の認定は取得していなくても、確認は必要になりそうです。

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