施工例

薪ストーブと暮らす、隣棟型2世帯の住まい
  • 計 画
  • 設 計
  • 施 工
  • 完 成

松本市浅間温泉にて、新築住宅の着工が開始されました。

まずは、基礎をつくるために地面を掘り進めていきます。

完成時点の、地面の高さを想定しながら、

近隣の建物状況も考慮しながら、高さを決めていきます。

 

実は、ちょっとドキドキする瞬間です。

 

写真は、「やり方」といって、

基礎の中心ラインや、図面を現実世界の地面に描くための準備木材。

基礎工事が終わると解体されてしまいますが、

基礎をどこの位置に、作るか、基礎の一番高い場所はどこまでの高さで、

どこの基準からいくつの寸法にするのか、、などなど。

 

なんにも基準の無い中で、スタートするための大切な準備木材です。

 

基礎の深さを確認しながら、

コンクリートを打ち込む前の、鉄筋が配置されます。

この時点で、検査を行います。

コンクリートが流し込まれてしまうと、見えなくなってしまう部分。

このタイミングでしっかりと検査をして、図面と間違いがないかを確認していきます。

少々、図面と異なる部分があったりしましたが、
マイナスではなく、プラスに働く方向なので、検査として合格です。

 

コンクリートに隠れてしまう部分の検査が終われば、
コンクリートを流し込んでいきます。

コンクリートを流し込むときには、
バイブレーション(振動機)を使って、
コンクリートの中にある、隠れた空気を抜き出します。

しっかりと、隙間の無く、密なコンクリートに仕上げていくために大切なこと。

そして、
写真の中には、何人も人がいますが、
コンクリートを流し込む最中に、コンクリートの圧力によって、
型枠がずれないように抑えたり、確認して補正していくためです。

基礎の工事って、一発勝負がほとんどなので、
慎重かつ、その場でしっかりとポイントをおさえていくことが大切。

細かいようですが、こういったところも現場を確認しながらチェックしていきます。
見えなくなるところが一番大事。
これ、建築の基本です。

コンクリートが打設されるともうすぐ上棟です。

楽しみです。

 

基礎コンクリートの打設が完了すると、「型枠」を外します。

基礎コンクリートの完成。密実に打設されたコンクリートには、空隙が少なく、キレイに打設されています。

空隙を取り除いて打設されたコンクリートは、
「ジャンカ」とよばれるすき間が見当たらず、キレイに完成しています。

 

上棟を待つ、基礎コンクリート。アンカーボルトなどがきれいに施工されています。

基礎工事が完了すると、大工工事に移ります。

まずは大工さんが、

基礎の上に、土台の据付位置を記す「墨付け」を行います。

上棟前に大工さんが基礎の上に墨付けをする様子

土台の据付高さの確認、基礎の傾きや水平・垂直をしっかりと確認して、
土台据付当日にバタバタしないように、確認をしていきます。

 

基礎の天端高さも、ぴしゃり。
キレイに施工されていることが、大工さんからメールで報告されました。

 

次は、いよいよ大工工事が本格的に始まっていきます。
 
 

朝から、上棟のお清めを行って

いよいよ柱や梁などが組みあがっていく上棟の始まりです。

上棟工事を始める前に、お清めを行い、工事の安全を祈願する英設計

お祓い、お清めにはお施主様も一緒に参加をしていただきます。

 

上棟前お祓い、お清めを大切にする英設計

参加していただく応援大工さんにも、お祓いをしていただき、

いざ、上棟開始です!

 

英建築設計事務所の自由設計上棟の写真

木造住宅の上棟写真

クレーンを使いながら、大工さんたちが連携して、骨組みを組み立てていきます。

上棟の組み上げていく過程の写真

吹抜けの部分は、骨組みが強固に固定できるように、「登り梁」で固定。

少々コストアップしてしまいますが、

安心できる骨組みの形成がないと、住まいの構造はしっかりとした耐震を計画することが出来ません。

金額には、なかなか見えない部分もオープンシステムを採用することで、

設計の中身と、金額の中身がしっかりと確認することが出来、

こだわりたい部分にしっかりと注力することができ、コストの割り振りが明確になります。

 

上棟の時にしっかりと確認する、柱の垂直性

柱の垂直性をしっかりと確認していき、

大工さんと英設計で、ダブルチェックをして垂直に柱がたたっているかを確認していきます。

ここをしっかりと決めないと、建物がゆがんでしまいます。

 

屋根を支える金物確認

屋根を支える垂木と梁がしっかりと、指定した金物で固定されているかを確認します。

見えなくなる部分は、タイミングを逃さず、しっかりとチェックをしていきます。

これも、建築士の役目。

 

屋根の野地板を張り込んでいく

ここの、屋根の下地になる部分の材料もしっかりと確認していきます。

 

野地板検査の写真

野地板一つでも、刻印がされていて、

指定した内容を満たしているかをチェックしていきます。

 

こういった部分は、コストダウンの中で、対象にされてしまいそうですが、

雨風をしのぐ大切な屋根を支える部分。

合板の中でも「特類」という耐水性のある物を採用しています。

 

野地板の上にルーフィングを敷く

野地板が張り終わると、タイミングを合わせて屋根屋さんが登場。

 

大工さんが張り上げた、野地板を雨に濡らさないように、

ルーフィングという、防水シートを張っていきます。

夕刻が近づいてくる中での作業でしたが、慎重に進めていただき、

野地板を濡らすことがなく、施工することが出来ました。

 

上棟完了

上棟が無事に完了して、一安心です。

 

ここから、大工工事が本格的に始まっていきます。

 

大工工事が進んでいくと、いよいよ断熱工事の施工になります。
大工さんが断熱工事を行う前に、あらかじめ下地を仕込んでいきます。

結構、このタイミングは大事!

見えない部分をしっかりとチェック 住宅の注意するポイント

断熱工事前の大工さんは、現場をきれいにしてくれます。
基本的に、現場がきれいな時は、しっかりとした施工がされています。

 

同時に、大工さんに完成状態を再確認します。
「ここには、下地を入れておいて欲しい。」
「ここの施工は気を付けて欲しい。」

などなど、現場で打合せを行います。

 

写真の上側の白い部分に断熱材が取り付けられていきます。
断熱材施工後には、
英設計では、【断熱構造見学会】を開催しています。

断熱材施工前には、空調・電気設備の施工もチェック

大工さんと並行して、空調と電気業者さんが、先行施工しています。

断熱材を施工した後に、空調や電気の工事を行うと、
せっかくきれいに施工した断熱材を痛めることに。。。

結果、気密も施工状況もよろしくないことになります。

どういった順番で工事をするか。
どのタイミングでチェックするかが大切です。

 

外部では、防水の下地になるシートが張られています。
ここも、シワや破れがないかをチェックしていきます。

透湿防水シートのチェックをする

些細なことですが、
工事が進むと後戻りできなくなってしまうので、
ここのタイミングでしっかりと検査をしていきます。

 

次は、気密測定を行います。
楽しみです。

木造住宅で気密測定をする様子の写真

 

気密測定をしている様子の写真

気密をシッカリと確認する写真

手をあてて、隙間風が入ってこないか確認していきます。

隙間風が入るようであれば、そこを重点的にふさいでいきます。

 

ボルトや金物廻りは、どうしても隙間が出てしまうので、

検査をしながらしっかりと「隙間風」をなくしていきます。 

 

気密検査の様子

気密測定の検査機を作動させながら、気密欠損部分を解消していくと、

確実に、気密性能が上がっていきます。

 

気密測定結果

今回の気密測定も C値=0.2で合格です。

 

最終的な報告書では、C値=0.18 でした。

 

最近は、気密性能を表すC値が、0.3を下回り、0.2~0.1の間で推移するようになりました。

 

大工さんも、表面での気密処理ではなく、見えない部分での処理方法に協力してくださり、

より、安定して気密を確保することができるようになりました。

 

まだまだ、カスタマイズして、

より施工しやすく、

安定した気密性能が確保できるようにしていきたいと思います。

 

断熱工事と気密測定が終わると、いよいよ内装の壁や天井のボードが貼られ、

お部屋としての区切りが見え始めます。

大工さんの工事も、順調に進んでいき、壁の下地や建具の下地が準備されていきます。
その前に、階段が施工されました。

木造階段の施工の様子写真
大工さんがきれいに施工してくださいました。
今回は、キッチンの換気扇にも絡み合うので、少々シビアな計画となりましたが、
大工さんも工夫してくださり、取り付けることが出来ました。

柱や梁に対して、一発勝負で施工をしていく大工さんには頭が下がります。。

すごい。

しっかりと養生をしていただき、これで2階へも上がりやすくなりました。
施工後の階段に養生を施した様子写真

階段の裏側も丁寧に施工していただいているので、ありがたい。
木造階段の裏側がきれいな様子写真
階段の裏側も、ボンドをきれいに施工してくれています。

階段が施工され、完了すると、
大工さんは、床廻りの材料を片付けていき、
いよいよ床材を施工する準備に入ります。

  寸法を確認する大工さんの様子写真
柱や壁が細かくある中、丁寧に床板を張っていきます。

床板が張り終わると、一気に家らしくなっていきます。
大工工事が棚板類を残して、後半戦に入り始めました。

外壁の下地工事をしていきながら、外壁の塗り壁の準備をしていきます。

木造住宅外壁下地の写真

雨水が壁の裏側に入り込んでしまったとしても、
断熱材に影響を及ぼさないように、透湿防水シートという材料を施工していきます。

この材料にも一工夫をして、「遮熱型」の材料を選択しています。
見えないところですが、
夏の暑い日差しの熱を外壁面でカットするように工夫しています。

塗り壁下地のガラ板

塗り壁の外壁の部分は、柄板と呼ばれる下地板を密に配していき、
塗り壁の構成面が平滑になるように下地を準備していきます。
ここまでくると、外壁は大工工事から、左官工事へとバトンタッチされていきます。

外壁左官工事のラス網施工写真
左官工事によって、
塗り壁の下地になる、アスファルトフェルトとラス網が張り巡らされて、
塗り壁の準備をしていきます。

ここまでくると建物の外観の様子が一気に変わっていきます。

左官工事が準備をしている間には、
大工さんが外壁の板張り部分を完成していきます。

外壁の板張り部分も完了して、外観のイメージが見えてきました。

松本市浅間温泉の家 外壁板張りの写真
このタイミングに入ってくると、
天気の様子を見ながら、
内部と外部の工事が行ったり来たりします。

 

外壁の左官工事が進行すると、外壁は一時的にモルタルの色になります。
フェルトを張って、ラス網を施工して、
外壁の下地になるモルタルを塗り上げていきます。

 

外壁の下地になるラス網を施工した様子写真
窓廻りには、ひび割れが広がるのを防止するために、補強のラス網が配置されます。

モルタル外壁は、どうしてもひびが入りやすいのがデメリットになります。

できる限り防止できるように、工夫した施工を行っていきます。

金網(ラス網)の下に見えるのがアスファルトフェルト。
モルタルの湿気が、木造の下地に染み込んでいかないように防御してくれるシートです。

この状況が出来たら、いよいよ外壁にモルタルを縫っていきます。
下塗りから、中塗りへ。一時的に、外壁がモルタル色のグレーになります。

 

下塗りと中塗りを施工した外壁の様子写真

モルタルで施工して、まだ水分を多く含んでいる様子です。
土色というか、濃いグレーになっています。

 

このタイミングで、外気温が0℃を下回らないように、
施工日前後の外気温にも気をつけながら施工することが大切です。

 

サイディング材を使わない施工の場合は、天気の影響だけではなく、気温の影響まで考慮しながら施工が必要なのです。

 

雨でも、気温が低くても施工してしまえ~。
という訳にはいかないのです。

外壁の塗り壁が施工された様子の写真

 

内部では、大工工事によって畳の小上がりスペースが造作されています。

 

ちょうどよい高さで、リビングに向かって開くタタミコーナーは

付かず離れずで、リビングと和室をつないでくれます。

 

ベンチのような、椅子のような高さに設定した、

小上がりのタタミコーナーは、

来客時はもちろん、家族がくつろぐ時にも、ちょうどよい空間を作ってくれます。

 

もちろん、下は引き出し収納を付けます。

 

大工さんが、後の工程作業の職人さんたちのために、

傷がつかないように、養生(保護)をしてくれています。

  

  

そして、
外壁の塗り壁工事が完了した写真の様子です。

コテのパターンも主張しすぎず、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。

足場を取り外す解体工事の写真
外壁の仕上がりが確認できると、いよいよ足場を外していきます。

仕上がった状態を傷つけないように、
気をつけながら、足場を解体していきます。

この時に、足場屋さんは、解体前に足場を復元して、
不足部材がないかの確認をしてから解体を始めます。

施工当初から不具合がないかを確認してから足場を解体する。
これも、プロの技ですね。

足場というのは、工事現場におけるひとときの芸術と思って作業しています。
当社でお世話になっている、足場屋さんの一言。
グッときますね。

 

仮設足場は、暮らし中では形に残らない工事業種になってしまいますが、
その足場が無いと、検査も作業・施工もできません。

丁寧で、安全な足場があって、良い品質を求めることが出来ます。

コストを感じてしまうかもしれませんが、
丁寧な足場屋さんには、必要なコストになると感じています。

 

足場が外れた様子写真

どっしりと、落ち着いた良い雰囲気に仕上がってきました。

 

2月の中旬くらいに完成見学会が開催できる予定です。

大工工事も追い込みで、

室内の造り付け家具や、クロス下地のボードなど、

最終作業に入りました。

 

室内のクロス下地になるボードが終わると、

大工さんはひと段落になります。

 

内部では、クロス下地がおこなわれ、仕上げ業者様にバトンタッチです。

準備が着々と進んでいきます。

 

クロスの仕上げが進行するとともに、

薪ストーブの炉台が施工されていきます。

タイルで一枚ずつ、職人さんが施工してくれます。

 

ちょっと大変ですが、丁寧に施工してくれます。

 

同じころ、足場の取れた外部では、

玄関ポーチの仕上げ作業が進んでいきます。

 

内装が仕上がった様子の写真

内部の仕上げも整い始め、

もうすぐ完成です。

 

天窓からも光が差し込んで、明るく気持ちの良いLDKに仕上がりました。

 

あとは、住宅設備と薪ストーブを整えて、完成見学会からの

いよいよお引渡しになります。

 

完成見学会も、無事に終わり、

いよいよお引渡しとなります。

 

引き渡し式の写真

薪ストーブの取扱説明の写真

 

いよいよ新しい暮らしがスタートします。

お施主様、おめでとうございます。

引き渡し時納品する書類や図面

 

また、点検や近くを通ったときにお邪魔させていただきますね。

 

【完成 竣工写真のページへ移動する】

 

 

■住宅性能

耐震等級3(長期優良住宅 認定取得)

断熱等級4(Ua値=0.44)

気密性能 C値=0.20

 

■仕様

高性能樹脂サッシ(YKKap)(パッシブ設計)

高断熱木製玄関ドア(ガデリウス)

外壁:ジョリパットコテ仕上げ、杉板張り

屋根:ガルバリウム鋼板

床:無垢フローリング(自然塗装仕上)カバザクラ

壁:クロス張り+室内杉板張り

暖房:エアコン+薪ストーブ

光熱費低減:太陽熱温水器(150L)※電気動力無タイプ

造作家具・オリジナル収納

小上がり収納のある和室

たっぷり小屋裏収納完備

オリジナル室内物干しスペース(リビングから吹き抜けへ上昇)

 

 

■『こんな暮らしをしたい』

松本の寒さを暖かく暮らしたい。

薪ストーブを採用して、冬場の暖かさを重視して計画したい。

将来を見越したときに、「座る」ことが楽になるように、

段のついたタタミの和室スペースがあって、

来客や、家族が泊まりに来た時にも活用できるようにしたい。

 

家族がつかず、離れずの距離をたもちつつ、

それぞれの部屋で自分の時間をもちつつも、

家族で集まれる時には、暖かく快適なLDKでありたい。

 

光熱費も考慮すると、太陽熱温水器を採用して、

経済的にも快適に暮らしていきたい。

そんな思いをコンセプト設計の段階から共有させていただき、

暮らしのデザインに加えさせていただき、

お施主様と共に実現とさせていただきました。

  

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

和室のこあがりと収納のある住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブと太陽熱温水器のある高気密高断熱の住まい

松本市薪ストーブのある高気密高断熱の住まい

室内ポスト受け取り口の写真

 

 

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お問い合わせ

※相談は無料です。調査研究、作図等の実費を伴う作業が必要な場合は、事前にご説明して進めさせて頂きます。

松川村(平屋) 断熱・耐震構造 現場見学会 4月【受付中】