暮らしのコラム

最近の耐震設計の中では、

「構造計算をしています。」

「許容応力度計算をしています。」

と言う事が標準化されてきていますが、


計算をしているから大丈夫。と言うわけではありません。
(計算していないよりはマシですが、、)


その計算書に、設計者がお施主様と打ち合わせをした内容を加味して、
細部の納まりや、力のかかり方や、力のバランスを見ながらブラッシュアップさせて、現場でもそれをきちんと確認することが大切です。

『許容応力度計算をしていますから、大丈夫です。』
ではなく、

きちんと力のかかり方をイメージして、
実際の建物にかかる負荷のバランスが取れているかイメージして、
初めて意味を成すように思います。


ローコストになればなるほど、
余力のない構造設計に陥りがちです。

目に見えない部分こそ、後から手を入れることが出来にくい部分になります。

構造の計算書を鵜呑みにするのではなく、

現場での納まりや、施工に無理がないかをしっかりと見極めることがこれからの建築士に求められることだと思います。

現場で、職人さんからも、
「構造計算書はこうなっているけど、
 英設計さんの考えているようにこうやった方が絶対いいと思うよ。」
と、共感していただけたときは嬉しかった。

住宅用コンクリート基礎の鉄筋をくみ上げている様子



逆に、本当は職人さんは、
「○○にした方がいいのかもなぁ。」
と思っていることがあるのだなぁと。
出来る限り、その技術や経験を引き出すようにしたいと思った瞬間でもあります。

今回の内容は、
基礎の中に入る、鉄筋のピッチ(間隔)のバラツキをなくして、
力が極端に集中することを回避することでした。

鉄筋の配置をした基礎
基礎の配筋を検査する様子

住宅用のコンクリート基礎であっても、
内部の鉄筋の量がとても多くなってきました。

こんな時に、間隔のバラツキや、力が集中していないかをしっかりと考えることも重要です。



費用に置き換えたら、5千円もしない内容ですが、
構造の安心感は変わります。

設計書、計算書と、現実世界を出来るだけきれいに結びつける。
それがこれからは大切だと思います。

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