暮らしのコラム

夏が近づいてきましたね。

各家電量販店でもエアコンの大セールを行っているのを見かけます。

 
少し前に、

以前も、コラムに

「エアコンの選び方も工夫が大事」

「エアコンの能力を算定しよう」

 

といった、記事を掲載させていただきました。

 

エアコンの選び方ひとつでも、

建物の省エネ性は変わってきます。 

 


今日は、わかりやすいポイントを一つご紹介したいと思います。

 

それは、

「単純に金額だけで比較すると、ドツボにはまる。」

ということです。

タイトルにもあるように、


家電量販店でエアコンを購入することを前提としてのお話になりますが、

 
家電量販店でエアコンを見ていくと、


こんな風に、

エアコンが金額メインにアピールをされて店頭表示されていることがあります。

 (写真は先日、家電量販店様を見学してきた記録です。)

 
ここで、

金額のみで比較をしたりすることは少ないと思いますが、

金額だけで比較すると、ドツボにはまってしまいます。。。 


大抵の場合は、

家電量販店さんが価格を抑えて提示されているエアコンは、

「前年度の型落ち機種。」という風に思われる方も多いと思います。

 
それは、

間違いではないと思います。

正しいと思います。

 


でも、

ポイントは、ここからです。


2つのエアコンがありますが、

どちらも10畳用エアコンです。

 

写真の中の小さな赤丸の中に違いがあります。

  
金額に違いがあって、
もちろん内部に付属されている機能の差があると思いますが、

どちらも、
昨年度モデルの型落ちタイプ。


ここで、何を比較すべきかというと、

「省エネ達成率」

という指針を確認することが必要です。


省エネ達成率とは、

【資源エネルギー庁】が公開している、

家電製品の省エネ具合をラベリングして表示させた制度になります。


省エネな家電製品を選んでいくために、

重要な指標になります。

このときに、
どちらも100%を達成しているからいいじゃん。

 
と思われがちですが、

実は、この「省エネ達成率」とは、

なんと、

2010年の基準になるのです。

 
2010年、

割と新しいと思いがちですが、

10年前の基準になります。

 
10年前の基準で、

100%達成 (APF5.8)

124%達成 (APF7.2) となると、

なかなかの差が出てきます。



 
ここで、

省エネラベルの下に表示されている、

年間冷暖房費を比較すると、

さほどの差額が無いようにも感じられます。

 
「資源エネルギー庁のHP」においても、

冷暖房の計算適用内容が記載されていますが、、、
(暖房5.5か月、冷房3.6か月 一日18時間運転)

「どこの地域の基準なのか?!」が書いてありません。

東京なのか、北海道なのか?!

エアコンを使うエリアが異なれば、

エネルギー消費量(冷暖房費)が異なることもあると思います。

 

シンプルに比較してみると、
エアコン本体の金額と、

省エネラベルのタグに掲載されている、

年間冷暖房費用の差額を検討すると、

 
年間冷暖房費 21000円 - 年間冷暖房費 26100円 = 5100円

5100円 x 10年 = 51,000円
 
本体代の差額が

¥104,800- 円 と ¥168,000-円 なので、

差額が63,200-円


この冷暖房費用を鵜呑みにするとなると、

約13年で差額が本体代と同じくらいになりそうなので、

どちらの機種を買っても良いと思いたくなります。

 
ですが、

少々危険です。

この、

省エネラベルに掲載されている、
冷暖房費用の通りに冷暖房費がかかればよいのですが、

記載されている金額通りに推移しない場合を考慮すると、

省エネ達成率が高い商品を採用することをお勧めします。

  

エアコン本体の寿命としては、

目安が10年、長く使って、15年ともいわれていますが、

15年使うとなると、

やはり、省エネ達成率が高い製品に越したことはありません。

 
ちなみに、

省エネ達成率が高いということは、

その分APF(通年エネルギー消費効率)も高いものになりますので、

電気代自体が上昇したときに、

少ない光熱費で冷暖房できるのは、

やはり、省エネ達成率(およびAPF)が高い製品になるかと思います。

APF は 省エネ達成率の横に書いてある数字です。


ちなみに、

今回比較したエアコン2台は、

外気の低温時でも、

省エネ達成率124%の方が暖房能力が高いため、

信州で購入を検討する際には、

省エネ達成率124%の方を絶対に選びます。

 
英設計では、
建物の設計をさせていただき、

エアコンを建築主に「家電量販店でお好きなものを・・・」とはせず、

 
設計の中で、エアコンの選定まで行います。

 
エアコンの選び方ってなかなか奥が深いですよね。

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