暮らしのコラム

光熱費を抑えるために、

押さえておきたいことの一つとして、エアコンの能力選定があります。

 

断熱性能の設計ができると、

必要なエアコンの能力値を定めることができます。

 

松尾設計室の松尾先生も言われていますが、

エアコンは、14畳用以上の能力はほぼ一緒なので、

14畳用より大きくする必要はありません。

 

逆に考えると、

しっかりと、14畳用の暖房熱量で、

室温が上昇させられるかを、把握しておく必要があります。

 

ここは、計算値を元にしっかりとシミュレーションをしておく必要があるでしょう。

 

その時に、大切なのが、

エアコンのエネルギー効率。

 

日本のエアコンは、とても優秀なので、

100W分の電気を投入したとしても、約4~5倍のエネルギーに変換して、

還元してくれます。

 

これが、「成績係数(COP:エネルギー消費効率)」となります。

現在では、

COP、という表記が、APF(通年エネルギー消費効率)というものに、追加表示されています。

COPが、定められた一定の条件下での成績係数であるのに対して、

APFは、1年を通しての成績を表したものになります。

(2006年より追加表示)

 

COPが、瞬間燃費のようなもので、

APFが、もう少し実燃費に近づいた印象でしょうか。

 

カタログを見てみると、

三菱では、

APF:通年消費エネルギー量は、

14畳用 200Vで、「5.9」

そして、省エネ達成率は120%になります。

(この省エネ達成率も重要な要素です)

 

ダイキンを見てみましょう。

ダイキンでは、

APF:通年消費エネルギー量は、

14畳用 200Vで、「7.1」

そして、省エネ達成率は144%になります。

 

カタログ値で見てみると、

ダイキンの方が良いように見えます。

しかし、

現場で使用している感じは、三菱のエアコンも非常に良いレスポンスをしているので、

三菱のエアコンも良いです。

 

このように、

実際にエアコンの消費電力量も重要ですが、

どのくらいの効果をもたらしてくれているのか、

という指標も確認することが重要です。

 

さらに、

「省エネ達成率」という表示。

これも、見落としてはいけません。

 

エアコンと聞くと、

家電量販店の方が安いでしょ。

 

と思われる方も多いと思いますが、

温暖地方の場合は、それでよいと思います。

冬場の暖房を信州ほど考慮しなくても良いので。

 

寒冷地に行けば行くほど、

きちんとした、エアコンの能力と性能の選定が必要になります。

 

今回、一つの例を挙げてみると、

家電量販店で、格安で売られているものの多くは、

この「省エネ達成率」が100%(基準ギリギリレベル)のものが多いのです。

 

つまりは、ほぼ冷房メインのエアコンであるということになります。

この辺を、知らずに家電量販店でエアコンを購入してしまうと、

冬場にエアコン暖房を行うことは難しくなります。

 

きちんとした、気密

きちんとした、断熱 があって、

 

きちんとした、冷暖房器具を過剰な容量にならないように選定する。

 

これが、経済的に日々の光熱費を考えていくために必要なプロセスです。

 

ほかにも、

エアコンの選定に重要なポイントがありますが、

それは、事務所にご相談いただいた時に、質問してみてください。

 

エアコン一つとっても、

注意すべきポイントはたくさんあります。

 

インターネットで情報収集も大切ですが、

地域の省エネ建築士に、情報をもとめたり、答え合わせをすることも大切なポイントです。

温暖地のお話を、そのまま寒冷地に置き換えて考えるのは少々不足点もありますので、

注意が必要です。

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